1月16日(日)
「もう届かない君へ。」
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友人の家から帰ってきたら、
一枚のハガキが届いていました。

雨の中、少ししおれたハガキをポストから取り出し、
「中学校の同級生からの年賀状のお返しだ。どれどれ。」

読んでいくうちに、
そこに書かれている達者な文字は
本人のものではないとわかりました。

「昨年7月31日に、急性肺炎で亡くなってしまいました。」
彼のお母さんからの言葉でした。

あまりに突然の知らせを信じることができませんでした。
あいつが、もう世界中のどこにもいないだなんて。
同時に、ものすごい後悔の念が
僕にふりかかってきました。

昨年のお正月の話。
仕事が一番忙しい時期で、
実家には帰らず、ずっと仕事の毎日でした。
年賀状好きな僕は、
「実家の方に届いていた年賀状を送って」と頼んで、
川崎の部屋まで郵送してもらいました。

その中に、「お?」と思う友人からの年賀状。
その友人とは、中学校の頃親しかったのですが、
それから僕がその近辺から引っ越してしまったこともあり、
なかなか会う機会がありませんでした。
毎年年賀状のやりとりをしているというわけでもなかったので、
突然来た連絡に驚いたのですが、
ちょっぴり暖かい気持ちになっていました。
ただ、実家から送られてきたのが2月近く。
時期的な気分と忙しさのピークを理由に、
申し訳なく思いながらも
結局返事は出しませんでした。

東京に出てきてるなんて知らない彼は、
2度ほど実家の方に電話をよこしてくれたそうです。
でも、電話を返そうにも
中学校の卒業アルバムを持ってきてないから、
電話番号が分からない。
中学時代の友人に聞こうと思ったのですが、
何だかそれもちょっと面倒に思い、そのままにしていました。

バカでした。
「もうすぐ俺は死ぬ」ということで、
今まで世話になった人たちの声が
聞きたかったのかもしれない。
あの時年賀状の返事を出していれば。
多少面倒でも、電話番号を調べて連絡してやれば。

「当時は精いっぱいの決断をしたんだから」ということを考えて、
できるだけ「後悔」を減らすようにしてきたけれど、
こればっかりはもう、取り返しがつかない。
本当に後悔しています。

あいつは2005年を迎えられなかったんだな。
それなのに新年を迎える喜びの連絡をしてしまった僕。
「中学校の頃、いっしょに熱中していた
あのゲームを作ったんだぜー」
って、見せてやりたかった。
お互い、大好きなゲームだったから。
教えてやったら、
「えー、マジでー!?」って、ビックリしたんだろうな。
驚いた顔や声、簡単に想像つくもんな。

「久しぶりだな 元気?また会おう。
俺は、いろいろあってそれなりに苦労している。」
2004年の年賀状で僕にくれた最後の言葉。
僕が彼にあげた最後の言葉は、
もう10年以上も前のもの。
このギャップを埋める術は、もうどこにも存在しない。

そんな僕が今、彼に対してできる
せめてものことといえば、
「この後悔を忘れないようにすること」。
これを生かしてやれば、自分の中の彼も生きる。
今やれることはちゃんとやるよ。がんばる。
あの時連絡しなくて、ホントにごめんね。

ちょっと遅くなっちゃったけど、27年間、お疲れさま。
ゆっくり休んでください。
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